(更新 2016.01.02)

ウォルト・ディズニー「戦争と混乱の時代」を見た

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2015年12月23日(水)23:00〜23:50 「BS世界のドキュメンタリー」4夜連続放送の第3夜は、第二次大戦中に会社の資金がどん底の状態からディズニーランド建設までのお話です。

知れば知るほどすごい人『ウォルト・ディズニー』がディズニーランドを作るキッカケとなったのは??
はてさて、今回はどんなことが起こるのでしょう…。

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あらすじと感想

※内容を書いてます。当時を知るスタッフさんや様々な人のコメントで語られている番組です。ところどころ、内容が前後していたり、途切れたり、放送された流れで書いていますので、想像を働かせて読んでください。

第二次大戦中に、会社の資金が底をついてしまったディズニー・スタジオは、戦争のプロパガンダ映画を制作していました。

黒人と白人の心のふれあいを描いた実写映画『南部の歌』は、人種差別との批判を浴びますが、『シンデレラ』は空前の大ヒットを記録します。


『シンデレラ』(Amazonより)
 

ーーーこの頃、プライベートで、ミニチュア鉄道の趣味に熱中していたというウォルト。遊園地の構想が浮かび、これが後にディズニーランド建設につながっていくのです。

クリエイティブなこと以外には無頓着なウォルトにとって、「賃金を上げろ」「エンドクレジットなどに名前を上げろ」と声を上げる従業員たちのストライキは理解不能でした。1941年には、ほぼ半数の従業員がストライキに参加していたんですって

『ピノキオ』や『ファンタジア』での赤字は積み重なり、株は25ドルから〜4ドルまで引き下がります。

それでもウォルトは、1ヶ月経っても、漫画組合を拒否、従業員への謝罪も拒否したままでした。それどころか、陰謀があるとさえ考えていた彼は、ストライキ中の従業員に向けて雑誌に記事を出します。自分の気持が伝わらないという思いの方が強かったのでしょう。その頃の辛い心境を、友人に手紙を書いています。

気持ちをリフレッシュするため、南米へ10週間の旅に出たウォルトは、熱烈の歓迎を受け、ホッとします。その地では、みんなが彼のことを好きだったのです。ロサンゼルスで敵意を向けられる現状とのギャップを、肌で感じとっていたことでしょう。

その旅行中、父・イライアスが急死。しかし、彼は葬儀のためには帰りませんでした。
ロイにとっても、癇癪(カンシャク)持ちのウォルトが今の時期に帰ってくるよりも、帰ってこない方が良いと考えたからです。そしてウォルトが旅行中に、ロイは従業員の要求をほとんど受け入れる形でストライキを解決、再び会社を起動させます。

そして時代は、第二次世界大戦へ…。

ウォルトは2人の娘と幸せに暮らしますが、会社は資金が底をついてしまい、なんとか持ち堪えている状態でした。


『バンビ』(Amazonより)

バンビ「冬って寒いね」
母「ずっとは続かないわ」

ストライキの間も、ウォルトが5年近く手掛け続けていた作品です。

母「春よ…」

野心的な美しさの中に危険があるという、自然界を映し出した作品でもあります。

〜『バンビ』のフィルム〜
母が撃たれたことに気付かぬまま、一人(匹)で逃げきるバンビ。
父「母はもう戻らない」「来い、息子よ」

その当時、リアリティはあるけど、古臭く感じる作風でもある『バンビ』では、制作費を回収できませんでした。そのことをウォルトは、「ストライキや戦争のせいだ」と言っていたそうです。

資金や努力を注ぎ込んでしまったディズニー社は、初期の時代とは全く違う個性を持った、ヨーロッパの作品に頼らな『リーマスじいやの物語』に興味を持ちます。それは白人と黒人の少年と、賢い黒人老人の話でした。大衆受けするディズニースタイルの典型的とも言える作品です。

陽気な物語を望まないステレオタイプの人物を描く活動家にも、意見を求めたそうですが、「世論を変えるかもしれない」という言葉に耳を貸すどころか、自分の思う通りに作る彼のスタイルは、やはり変わりませんでした。

歌『南部の唄』より ♪「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」が流れる。

 

『リーマスじいや』の評価は、ニューヨーク・タイムズなどから酷評を受けます。黒人がずっと歌っているシーンや陽気な歌が、現実を美化しているというのです。その声にウォルトは落胆します。

カルフォルニアでストライキが起こり、自分の理想を守るために役員になります。1947年7月の聴聞会では「共産主義者に汚染されていないクリーンな会社だ」と主張し、共産主義者は雇わないとしたのです。

その後、ウォルトは逃げ出します。本当は、政治思想には興味はなく、ただ映画が作りたかっただけだったのです。

〜家族と楽しくプールで遊ぶ、ホームビデオのフィルム〜

彼が次に注目したのはテレビです。

娘のシャロンを連れて、『あざらしの島』という記録映画を撮りに、旅行に出ました。
〈自然と冒険シリーズ〉では、リーズナブルに作品を作ることができましたが、アニメ映画制作を作っている時のような興奮が、徐々に恋しくなっていったのです。

ウォルトは、『シンデレラ』の制作を始めることを、ロイに打ち明けます。初めこそ「一緒にはいられない」と怒って部屋を出ていったロイですが、後に、200万ドルの資金を集めをしてくれます。(頼り甲斐のあるお兄さんです。)

しかし、50歳を目前に体力が衰えてしまったウォルトは、看護婦を雇うようになり、仕事で大変なところはスタッフに頼むようになっていきます。

仕事場に巨大な鉄道模型を置くほど好きだった彼は、知り合いの勧めもあり、気分転換に鉄道博覧会の旅行に出かけます。それがキッカケで、本物そっくりの模型を作るようになると、仕事をする合間にちょこちょこ出向くようになり、そのうち土曜日は1日中、その場に入り浸る程になっていきました。そこでおもちゃの汽車を作るのに没頭している自分に気が付きます

1950年の初め、『シンデレラ』は古典的な映画が帰ってきたと、絶賛されました。
予想収益である600ドルを上回る、800ドルの収益を得て、資金面で救われたと周囲では喜びの声が上がりますが、ウォルト手抜きがあるということを見抜いていたのです。そして彼の関心は、すでに他の場所にありました。

その頃ウォルトは、自宅裏に線路を設計し、自分でエンジンを組み立てられるくらい鉄道にのめり込んでいました。家の周りに汽車が走る様子を見るのがおもしろく、遊ぶのが楽しくてしょうがなかったのです。

気晴らし以上の彼の行動に、周りの人も「完璧主義を超えている!」と困惑する程。しかし、ウォルトは「私も社員も支配できない」「けれどこの世界は、完璧で安全な世界だ」と思っていたのです。

1952年、妻のリリアンは、すでに彼が次の何かを考えていると感じていたと言います。

ウォルトは、所有している家族の資産や自分の保険を担保にし、10万ドルの自分の会社の権利をも売って、全く新しい会社を立ち上げます。

『WED』です。

娘たちが幼かった時、清潔で楽しめるところに連れて行きたかったという思いから、ウォルトの頭の中で計画はどんどん膨らみ、「ミッキーマウスビレッジ」という名前から『ディズニーランド』という名前に改め、新しい遊園地の形を追求していきました。もちろん困惑している従業員にも、「楽しいもの」と言いくるめながら。

当時の遊園地というと、ジェットコースターなどスリルを味わう場所で、客引きがいたりと、危ないことを連想させる場所でもありました。

リリアンに、「遊園地をはじめるよ」と言った彼の頭の中には、「人間を3次元の場所に」「空想の世界に飛び込ませよう」という思いでいっぱいでした。それは、紙と色鉛筆で表現した世界、映画の中に入り込むような夢の世界をつくること

彼は、すぐにテレビで「不思議の国の1時間」という番組を放送し、驚異的な視聴率を叩き出します。周囲には「いつでもテレビを乗っ取れる」という評価をされる程!!

ロイは、500万ドルを出資するという相手に出す「ディズニーランドの見取り図」がないことを、2日前に気が付きます。主にウォルトの頭の中にしか存在しない世界を、スタッフのハーブ・ライマンに要望を伝え、注文を出しながら見取り図を書かせ、飛行機の時間に間に合わせたのです。(兄、危機一髪、ナイスフォローです。)

会社も自分も、成功しなければおしまい。崖っぷちに立たされた状態でしたが、ウォルトには強い信念がありました。

広い敷地・外の世界から隔離するための高さ6mの塀、そこは現実の世界と区別された夢の国。。。

その頃のアメリカはの家庭は、趣味や娯楽にお金を使える時代に突入し、しかも、ベビーブーマーが8・9歳となり、学校に行く時期で、困窮している時代ではない。

そこでウォルトは、ディズニーランドのCMを「星に願いを」の音楽に合わせて制作します。彼自身が4つのエリアから1つを選び、行きたいと思わせるように仕向けていったのです。

彼は、最高のセールスマンでもあったのです!

その頃の話題は、フロンティアランドの『デイビークロケット』でした。開拓時代に、素朴で、はっきりものを言い、全ての戦いに勝ち、上官にも逆らい(間違っていると知ったら手を貸さない)、自分の思う通りに突き進んでいく彼のキャラクターが、世間に受け入れられていたのです。最終話の第3話は、アメリカ人の4分の1の人が見ていた程の人気っぷり。見ていた人が、彼のトレードマークである「アライグマの帽子」を真似して被るようになっていきました。

第3夜「戦争と混乱の時代」 おわり
第4夜「夢の国ディズニーランド」に続く…

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