(更新 2015.12.31)

ウォルト・ディズニー「アニメーションのパイオニア」を見た

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2015年12月22日(火)23:00〜23:50 「BS世界のドキュメンタリー」4夜連続放送の第2夜は、長編アニメ映画の成功から従業員のストライキが起こるまでです。

番組の内容を掻い摘んで書いております。

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あらすじと感想

※内容を書いてます。当時を知るスタッフさんや様々な人のコメントで語られている番組です。ところどころ、内容が前後していたり、途切れたり、放送された流れで書いていますので、想像を働かせて読んでください。

~『白雪姫』のフィルム~
すべてのキャラクターを再現しようとウォルトは奮闘します。
周りから「破産する」という意見がある中、「絶対売れる」と言い聞かせながら社員のモチベーションを高めていきました。

銀行から資金を借ります。
しかしウォルトにとって、会社の借金は問題ではなく、どうやって観客を魅了するかだけを考えていました。
アニメーションで、自然や生きた動物を観察したり、粉々に砕けたガラスを再現したりし、リアルを追求し、スタジオでは10代のダンサーに踊ってもらいながら、ドレスなどの動きの特徴を捉えようとしていました。またスタッフには、発音や目の動きなど、演技の勉強をさせていたそうです。

従来のやり方とは違い、顔がアップするのシーンに丸1日使うなど、作業がなかなか進まないので、従業員も困っていたと言います。

アニメが出来上がるまでには、
1・ポイントの絵を描き
2・動きをスムーズに見えるよう、間の絵を付け足し
3・透明な紙に色をつけていく
という工程がありますが、この作品では20万枚以上の絵が必要で、スタッフは600人越え予算をオーバーしつつ、1937年にプレミアム上映しますが、その時にはまだセル画は1枚も出来上がってなかった状態でした。借金は6倍にも膨れ上がり、世間には「ディズニーの道楽だ」と言われてしまう程でした。

〜NBCラジオのインタビューに答えるウォルトの声〜

その年、ついに『白雪姫』が完成します。
冒頭の城の場面で観客は釘付け。7人の小人など、おどけた仕草には笑いが起こり、邪悪な女王には非難の声が上がります。
観客席にいたウォルトは妻の手を握りながら、評価が気になって不安のまま。。。
ですが、白雪姫が死んでしまったシーンでは、客席は静まり返り涙を流すほど。皆アニメーションだという事を忘れるまでに見入っていたのです。

勝利を掴んだ瞬間です!!

観客は立ち上がって、拍手喝采。ライバルだったプロデューサーも、彼の存在をついに認めます。

3週間上映されればすごいと言われた時代に、5週間も上映され、ロンドン・パリ・シドニーと世界に広まり、興行成績も新記録を叩き出しました。これにより多額の借金も返済でき、商品化、デパートではショーも開かれるなどの、大成功を収めました。


白雪姫のグッディバッグ(Amazonより)

芸術、ビジネスでも高い評価を受けたウォルトは、外では芸術家、家庭では良きパパとなり、2人の娘を溺愛していたと言います。「とことん甘やかすんだ」と言っていた程に。また、商業的に成功したので、両親の結婚50周年のお祝いに、家をプレゼントしたそうです。

半年に1本、長編アニメを作るのが夢だったウォルトは、次に『バンビ』と、イタリアの童話『ピノキオ』などを手がけることにします。本来のピノキオの難しい性格を、「どうやって好かれるキャラクターにするか」と悩みます。


バンビのトートバッグ (Amazonより)

 


ピノキオのエコバッグ(Amazonより)

しかしその頃、暖房の不具合で母が他界。誰とも分かち合うことのできない気持ちを、作品で表現しょうと、がむしゃらに働いていたと言います。

「芸術には高い質が必要だ」

ピノキオは「社会に受け入れられようとする」主人公。人間である意味を問いかけているという意味を全面に押し出すよう、原作の内容を大きく書き換えさせました

同時に短編アニメにも取りかかります。
『ファンタジア』では、クラシック8曲を選び、専門的な知識を得るため、職場には様々な研究者(恐竜など)や、有名な科学者まで出入りするようになっていました。

 

従業員が2倍の1000人に増え、20万k㎡の土地を買い、完璧な映画とスタジオを作り、スタッフが住む場所もその敷地の中に作ります。

「本物の水の中にいるような映像をお見せします」と宣伝された『ピノキオ』。ジミニークリケットが刺々しく暗いストーリーの部分を和らげ、生命力を感じるような後世にも伝わる作品に仕上がりました。

 

しかし、制作費は『白雪姫』の2倍…戦争の時代ということもあり、赤字でした。

バッハの二短調で始まる『ファンタジア』では、映像と音楽を評価する人もいましたが、クラシックの伝統に泥を塗ったなどと酷評する人もいて、ウォルトは大変傷つきました。サウンドシステムを持っている映画館が少ないこともあり、これもまたダメだったのです。

建物は立派で、理想的な職場と思われていましたが、工場のように組織は管理され、上下関係も厳しかった「ウォルト・ディズニー社」。アニメーションに携わる人が増えすぎて、家族的ではなくなっていきます。高給の人は色塗りの100倍。。。時給12ドルから300ドルまでの格差があり、中に常設されたカフェテリアは金額が高く、利用できる人は限られていたそうです。

ウォルトもまた、スタッフと廊下で話すこともなくなり、高価な自室で過ごすようになっていました。自分では、寛大で優しさがあり、スタッフとうまくやっていると信じていた彼は、スタッフの間に起こる不満の声に、気付かなかったのです。

この頃から、徐々に従業員との間に亀裂が生じていきます。
グーフィーの生みの親、バビットは給料が高い1人でしたが、1941年、1200人のスタッフを集め話す機会を作ります。

しかしその場でもウォルトは「特権を与えるのは当然で格差は激しいものだ」「指示を待つのではない」などなど・・・、スタッフを前に激怒し会場を去ります。その後、バビットを個人的な裏切り者みなし「従業員を労働組合に入れるな」と言うと、会社を追い出してしまったのです。

~対抗することを決めた200人以上の従業員のストライキの中を通るウォルトの姿~

魔法が溶けたような「ウォルト・ディズニー社」。その後は一体どうなったていくのでしょうか・・・。

第2夜「アニメーションのパイオニア」おわり
第3夜「戦争と混乱の時代」に続く…

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