(更新 2015.12.18)

『ドラえもん、母になる〜大山のぶ代物語〜』見て涙

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上記のかっこいいドラえもんは2016年7月31日発売予定

2015年12月13日(日)22時〜NHK BSプレミアムで放送された、ドラマ。
ドラえもんの声を26年間に渡って担当されてきた大山のぶ代さん。
彼女の声のドラちゃんで育てられた子どもの1人として、彼女の背負ってきた思いを、少し知られたような気がします。

2015年12月19日(土)NHK BSプレミアムで23時45分〜再放送

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感想

「金曜よる7時は10ch(当時の朝日テレビ)!」と、子どもの頃、見るのが楽しみだった思い出深いアニメの一つ、『ドラえもん』。
夏には、ミニドラ欲しさに映画館に行ったり、初めて子ども同士で見た映画だったり…などなど、ドラえもん話は、尽きることはありません。

ドラマのストーリーは、大山さんを中心に、ドラえもんのアニメを作っていく声優さん方とのエピソードや、ご主人とのエピソードが描かれています。そのドラマの間あいだに、当時の声を担当されていた、
小原乃梨子さん(のび太くん・その他「タイムボカン」ドロンジョ様の声など)
野村道子さん(しずかちゃん・その他「サザエさん」以前のワカメちゃんの声など)
肝付兼太さん(スネ夫くん・その他「にこにこぷん」じゃじゃ丸の声など)
の、お3方がその頃の思い出を振り返りながらお話をするコーナーがあり、当時と変わらないお声が聞けたことに感動しました

大山のぶ代さん」を演じられた鈴木砂羽さんのアフレコシーンの立ち姿にもびっくり!まるでご本人さんのような雰囲気でした

アニメを作る裏側で、そのような背景があったこととは露知らず見ていたブー子。
ラストのメッセージに、大山さんのドラえもんが重なり、思わず涙。これを観て心から「ありがとう」と伝えたくなりました。

内容

※おおまかですが、あらすじを書いています。知りたくない方は飛ばしてください。
1979年。ドラえもんの作者の藤子・F・不二雄先生が見守る中、レギュラー放送がスタートしたアニメ『ドラえもん』。
アフレコは朝から深夜に及ぶこともあった。

小原乃梨子さん(のび太)、野村道子さん(しずか)、肝付兼太さん(スネ夫)のお話〜
大山さんの欠点は「ひ」と「し」の発音が苦手なこと。「あさひしんぶん」というのが、難しかったそうです。

《収録のシーン》
しずかちゃんのセリフは「私」と「あたし」どちらで言う?スネ夫は「ママ」?「お母様」?など、役として疑問に思ったことは何でもスタッフさんと一緒に考えながら決めていく声優さんたち。また、テレビの影響力を考えて、暴力的なシーンや、言葉が乱暴だったりするセリフなど、時代と共に変化させていきました。それらはみんな友達を大事にしてほしいという、子どもたちへのメッセージ

アニメは視聴率20%を越え、自宅にもファンから電話がかかってきてしまう程の人気番組になっていきます。

しかし、大山さんの夫・砂川啓介さんは複雑な思いを抱えていました。
1964年、大山さんが31歳の時、そして6年後にも、授かった赤ちゃんが亡くなっていたのです。

☆『私のおもしろ人生』より(著者:大山のぶ代)  

《回想シーン》
スタッフ:「ドラえもんは出来損ないだから人々に愛される」
その言葉を、まるで自分と重ね合わせるかのような大山さん。

《道で》
ある日、幼い子とお母さんとすれ違う時に、「ドラえもん」と声を掛けられる。
他の声優さんが、様々な仕事を掛け持ちする中で、大山さんはドラえもんに専念することを決意する。

《公園で》
学校に行かず、ランドセルを背負ったままベンチに座っている(のび太のような)男の子を心配し、声を掛ける。
大山さん:「学校に行きたくない日、あるよね…」
自分も、幼い頃や中学生の時まで、個性的な声をからかわれ、誰とも口をきけなくなってしまったことがあり、その時お母さんに「弱いと思ったら弱くなっちゃう」「積極的に声を出していきなさい」と言われ、放送部に入ったことをその男の子に話す。

男の子:「学校に行けなくて悩んでいるのは、走るのが遅いから」
大山さん:「君ならできるよ」
そう励ますと、男の子は迎えにきてくれた仲間に気付き、立ち上がる。振り向いて一言「僕もその声好きだよ」と、仲間の待つ方へ走っていく。転んでも、また立ち上がって嬉しそうに仲間と去って行く姿を、大山さんは静かに見送る。

《アフレコする部屋で》
藤子・F・不二雄先生が倒れたとの知らせが入る。

みんなでドラえもんを支えよう!と一致団結するも、今まで身を入れてきたドラえもんというものがなくなってしまうかもしれない、と、精神的に不安定になっていく。

《自宅のシーン》
ドラえもんは仕事じゃない
子どもたちに見向きもされなくなってしまう

家事が手につかず、そのような恐怖心や、自身が子どもを産めなかったことの寂しさから、夫婦で言い合いになる。

険悪な雰囲気のまま、2人で外を歩いている時、突然ゴミを投げ捨てた強面のお兄ちゃんに出くわす。大山さんが注意をすると、ドラえもんの声だと気づいた彼は、素直に聞き入れゴミを拾って、穏やかにその場を去っていく。
夫:「ドラえもんを観て育った子は、大人になってもその声を覚えている、それってすごいことだよな」と、優しく語り掛ける。

☆『ぼく、ドラえもんでした。』より(著者:大山のぶ代)

〜ドラえもんを担当する姿・声は、お母さんみたいだったり、正義感があったり、「それが大山さんの全てではないでしょうか」と声優さん方のお話〜

《病院のシーン》
68歳、ガンが見つかる。

「ドラえもんは死んじゃうの?」と心配して声を掛けてくる子どもと出会う。
大山さん:「ドラえもんは死なないよ」

そのような心配をする子どもたちのためにもと、ドラえもんを引退することを決意する。

大山さん:「ドラえもんを受け継いでくれる人を探す、ずーっと愛してもらえるように」

それから4年後の2005年3月に、『ドラえもん』を卒業。
新しい声優さんたちにバトンを繋いでいる。

昔子どもだった大人たちにも…

のび太:「ぼくたち、ずーっとずっと、一緒だよ…」

おしまい

キャスト
大山のぶ代さん(ドラえもん):鈴木砂羽さん
野村道子さん(しずかちゃん):田中美里さん
小原乃梨子さん(のび太くん):猫背椿さん
肝付兼太さん(スネ夫くん):鈴木拓さん(ドランクドラゴン)
たてかべ和也さん(ジャイアン):小川直也さん
夫の砂川啓介さん:豊原功補さん
でした。

→最近の映画『STAND BY ME ドラえもん』について書いた記事はこちら

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ブー子