(更新 2015.11.18)

8点『鑑定士と顔のない依頼人』何を信じますか?

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2013年, イタリア, 131分

あらすじ

有名な鑑定士でありオークショニアのオールドマンは人を信用できず、一度も結婚をしたことがない。ビリーという男と手を組み、安値で競り落とした「女性の肖像画」を集めては、自宅の隠し部屋に飾り、眺めることが唯一の安らぎだった。そんな彼が、自身の誕生日にたまたま受け取った電話は、両親が残したという女性・クレア・イベットンからの家具や絵画などの査定の依頼だった。約束の時間に姿を現さない依頼人に、初めこそ苛立ちを感じていたオールドマンだったが、査定を繰り返し屋敷に通ううちに、彼女が壁の裏側に住んでいることに気付く。一方、屋敷に来るたびに落ちている古いゼンマイのような部品が気になり、仕事で顔見知りの青年に頼み、その一つ一つを組み立ててもらいながら、女性とどう向き合って良いのか分からないオールドマンは、彼にアドバイスを求めるようになる。屋敷の使用人も彼女の顔を見たことがないという依頼人は、実は、部屋から何十年も出られていないという。そんな話を聞いたオールドマンは、いつしか彼女に惹かれ始めていく。

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心に残る台詞

☆歯車は人間みたいなもの 長年組み合わさっていると 相手の形状に似てくる
☆時の流れが「共同生活」を可能に
☆すべて偽装できる
☆予想もしないときにうまく動き出すものさ

印象的なシーン

☆誕生日前のケーキのシーン
☆2人っきりのディナーのシーン
☆壁の肖像画に囲まれたオールドマンの姿
☆衝撃の真実のシーン

みどころ

依頼人と鑑定士のやり取り

 
 

感想

真顔のおじさまの後ろに、たくさんの肖像画が飾られている、という、見るだけで意味深なイメージ画と、「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督の作品という事で、気になっていた作品。

すっかり、騙されました!

彼女と信頼を築いていく様子は、ヒューマンドラマのような、ラブストーリを見ているような感覚ですが、蓋を開けてみれば、
え?!ミステリー??
と、最後までドキドキなストーリに、すっかり見入ってしまいます。

途中1つ1つ組み立てていく過程は、映画『ヒューゴの不思議な発明』のようで、何か暗号が隠されているのではないかというドキドキ感も味わえます。
→映画『ヒューゴの不思議な発明』について書いた記事はこちら

主人公・オールドマン役のジェフリー・ラッシュさんは、やはり、『英国王のスピーチ』とは、またちょっと違う癖のある人物を演じていらっしゃいます。その彼を虜にするというクレア役のシルヴィア・ホークスさんが美しかった

また、見たくなる一本です!!

おまけ

※内容に触れていますので、知りたくない方は飛ばしてください。
この作品の不思議な「間」が、すでに出てくる人みんなを疑ってしまいたくなるような、不思議な雰囲気を持っています。

一面、白い壁を見せられた時の、あの、オールドマンが絵を落とした音と共に受けた衝撃といったらもう、
「ほらーーーっ!(言わんこっちゃない!!)」

…という感じで、脱力感ったら、ハンパなかったです

警察の前まで行ったのに、何もできないオールドマン。
自分が届出を出したところで、説明しきれない絵画の出処。
何よりも、今までの彼女とのいい思い出が汚されることを恐れたのか。
とにかく、訴えられずにいるシーンには、このような様々な憶測が飛び交ってしまい…本当に切なくなってしまいました。

今まで人を信じずに一人で生きてきたというおじさまの、高額な初恋シュミレーションゲームのお代でした、と割り切るにはちょっと悲しすぎる結末にショックです

様々な詐欺が溢れかえっている世の中ですからね、これを教訓に気を引き締めろっていう作品だと思うことにしよう。


観てよかったか?
5点 大変良かった!
4点 良かった(やられたっ!)
3点 ふつう
2点 ん~~~
1点 所々寝た(とばした)
0点 見るのを止めた


もう一度観たいか?
5点 もう何度も観てる
4点 観たい
3点 観るかも
2点 何とも言えない
1点 できれば他の作品を
0点 記憶から末梢したい…

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ブー子