1964年, フランス・西ドイツ, 92分
見事なまでに、全編歌のみで魅せるミュージカル映画
気になる劇中曲
『シェルブールの雨傘』
恋人同士「あなたなしでは生きていけない」「いつも君のことを思っているよ」と歌う合う、とても有名な一曲
感想
歌詞がとても聞き取りやすく、フランス語を勉強されている方にはとてもおすすめの作品です!
フランスの北西部にある、シェルブールが舞台。1957年、傘屋の若い娘・ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴさん)と、ガソリンスタンドで働くギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォさん)は恋人。しかし彼女の母には「まだ若い」と反対され、病気の伯母がいるギイのもとには、2年間の兵役の知らせが届く。はてさて、愛しあう2人はどうなってしまうの?…というストーリー。
大好きな恋人と離れ、別れて、人生辛い時もあるけど、自然の流れに身を任せることも大事だなぁ…なんてことを、思わせてくれます。
監督・脚本・作詞はジャック・ドゥミさん。
音楽・作曲は、ジャン=リュック・ゴダール監督の作品でもおなじみのミシェル・ルグランさんです。
カンヌ国際映画祭グランプリなど、数多くの賞を受賞。
いろいろなジャンルの音楽と一緒に、ただ好きという気持ちだけではうまくいかない恋愛についても学べちゃう作品です!!
おまけ
※内容に触れていますので、知りたくない方は飛ばしてください。
ギイには幼なじみの美しく優しいマドレーヌがいて、ジュヌヴィエーヴにはカッコイイ宝石商のカサールが現れる。
悲しい曲調で表現されると辛さが前面に押し出されますが、冷静に考えると、お互い側にいて欲しい時にいてくれて、家族のためにも力を注いでくれる相手がいるという、これはもう「悲恋の物語」というより、互いに合った相手と一緒になって幸せになるというステキな物語
みなそれぞれ、出会うタイミングというのがあるんです。
もちろん、ジュヌヴィエーヴが、17歳の若くて美しい娘だった、ということがキーポイントですが…
中でも見習いたい女性の一人が、いつでもギイの伯母の看病のためにいてくれたマドレーヌ。
ギイのことをずっと想っていた(様な雰囲気をいつも醸し出していた)けど、彼に一緒になろうと言われた時に「今のままのあなたでは良くない」と伝えたり、自分の気持ちをはっきり伝え、すぐにOKは出さないところに拍手!
彼女にフラレて失業した直後に交際をOKするのと、彼がしっかり自分を見つめ直した後にOKするのとでは、まったく違いますから。
その後「絶望の挙句一緒になったの?」と彼の態度に不安になったり、元恋人のことが気になったりするところもありますが、それもまた人間ぽくて、いい〜んです♪
幸せを掴むというのは、自分だけでも相手任せでもなれないんですよね、はい。
そしてもう一人、忘れてはならないのがジュヌヴィエーヴの母・エムリー夫人。
娘に「恋人を無理に忘れようとするのは辛いけど、時が解決してくれる」「安心なさい、今に分かるわ」と慰め、励ますシーン。
母の教えは実に正しかった
そんな母がカサールと街で再会し、夕食に招待し、彼の想いを聞いた時はどんな気持ちだったのかしら?
もしかして、自分に気がある?という期待が少なからずあった?…と思うと、かなりショックだったはず。
しかし、ブー子が何よりショックだったのは、歌は全員吹き替えだという事実だった…
その他気になるステキな歌
・カサールにネックレスを買い取ってもらい明日会いましょうと歌う歌。
・母とジュヌヴィエーヴが、カサールは詐欺かもと言い合い、すれ違いで来た彼と母が歌う歌。
・ギイが兵役に出発する前に叔母とマドレーヌと3人で歌う歌。
・夕食後カサールと母が歌う歌。
・カサールとジュヌヴィエーヴの初デートから結婚式までの歌。
心に残る台詞
☆「いざって時にね」 「今がそのいざって時でしょ?」
☆別れは残酷なものよ でもいずれ 時が解決してくれるわ
☆安心して 人並みよ
☆(失恋後)人生が味気なく感じるばかり
☆人生を無駄にする気なんてない
印象的なシーン
☆オープニング
↑傘の動きと文字が共演!
☆シェルブールの雨傘を外で歌うシーン
↑自動で動いてる!!
☆ガレット・デ・ロワを食べるシーン
観てよかったか?
5点 大変良かった!
4点 良かった
3点 ふつう
2点 ん~~~
1点 所々寝た(とばした)
0点 見るのを止めた
もう一度観たいか?
5点 もう何度も観てる
4点 観たい
3点 観るかも
2点 何とも言えない
1点 できれば他の作品を
0点 記憶から末梢したい…
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ブー子