7点『奇跡のひとマリーとマルグリット』じんわり感動

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2014年, フランス, 94分
19世紀末にフランスに実在したもう一人のヘレン・ケラーのおはなし。

あらすじ

フランスの南部にある聴覚障害をもつ少女が過ごす修道院に、生まれながら目と耳に障害を持つマリーが父親に連れられてやってきた。しつけも教育も受けてこられなかった獣のような彼女を見て修道院長は受け入れを拒否するが、マリーとの出会いに運命を感じた修道女マルグリットは自身の病気も顧みず、彼女の住む家に自ら迎えに行き、修道院での生活をスタートさせるが…。

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感想

じんわり感動しました。

目が見えない、聞こえない、喋れないという三重苦で生まれた少女・マリーを自身も聴覚のハンディキャップを抱えているアリアーナ・リヴォアールさんが演じています。真っ暗闇の中で何も分からず野生的に育ったマリーと、言葉を理解しどこか知的なマリーを演じ分ける変貌ぶりは見事です。

そのマリーに対し、体当たりで献身的に尽くすマルグリットの役を演じるのはイザベル・カレさん。手の付けようがないと一度は見放されてしまうマリーに対し、院長の反対にも負けず強引に手を差し伸べ、修道院で一緒に暮らし始めたものの、何の変化もない現状に後悔や不安を感じて苦しむマルグリットの姿はとても人間的で魅力的でした。どことなく雰囲気が、女優ミムラさんに似ていると思うのは私だけ?

その他、絵のように美しい風景もみどころの一つです。

DVDには日本語吹き替えに加え、藤原竜也さんのような、優しく聞き取りやすい声での音声ガイダンスもついており、目の不自由な方も楽しめる作品となっています。

生後19ヶ月の時に高熱により視力・聴力を失ってしまったヘレン・ケラーさん(1880〜1968年)のことは、世界的にあまりにも有名でよく知られていますが、この映画のヒロインマリー・ウルタン[Marie Heurtin]さん(1885-1921)も、実は同じ時代を生きていた方だと知り、驚きました。生まれつき目も耳も不自由で話すこともできない子どもを育てる両親の苦労は想像を絶します

この作品を鑑賞後、サリバン先生の教育を受け、水をキッカケに言葉を取得したという映画『奇跡の人ヘレン・ケラー』も、見たくなりました。

物語の舞台

フランス・ボアティエ近郊にあるラルネイ聖母学院で1835年に創設され、1世紀半を経た今も、耳が不自由な人たちのための施設として現存している。
(DVDパッケージの裏面より)

おまけ

※内容に触れていますので、知りたくない方は飛ばしてください。
マリーが自己を認識してから言葉を理解するまでが早く、あっという間に物分りの良い子になってしまうのが気になるところ。

両親と再会するシーンは、娘の変わった姿にどんなに驚くだろうと勝手に想像していた分、拍子抜けしてしまうぐらい静かだったので、見てるこっちがビックリです。しかしその後、徐々に学んだことを伝えたり手話を教えたりしていくマリーの様子から、噛み締めるように成長を感じ取っていく両親の姿にリアリティを感じました。

涙を流すまでではなかったけど、随所にマルグリットの気持ちがマリーに受け継がれた様子が感じる場面があり、心がジーンと暖かくなりました。

物語の最後に、マリーが亡くなる36歳まで修道院で活躍されていたことが文章で紹介されました。
人ができる可能性について考えさせらる作品でした。

印象的なシーン

☆マリーとマルグリットの格闘するシーン
☆修道院で両親を待つシーン
☆マリーが両親に手話を教えるシーン

心に残る台詞

☆人は一人じゃ生きられない
☆抵抗ばかりしているのが人生です


観てよかったか?
5点 大変良かった!
4点 良かった
3点 ふつう
2点 ん~~~
1点 所々寝た(とばした)
0点 見るのを止めた


もう一度観たいか?
5点 もう何度も観てる
4点 観たい
3点 観るかも
2点 何とも言えない
1点 できれば他の作品を
0点 記憶から末梢したい…

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ブー子