(更新 2016.02.21)

満点『リトル・ミス・サンシャイン』家族っていいな

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2006年, アメリカ, 100分
「負け犬の意味を知ってるか?負けるのが怖くて挑戦しない奴らのことだ」 byグランパ

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気になる劇中曲

 

 

感想

訳あり、問題ありな家族ほど、団結したらすごい!
BGMも笑いや寂しさ、気まずい空気をさらに盛ってくれている。

娘のオリーヴは、ミスコンテンストで優勝目指す7歳の女の子。優勝した時の喜び方の研究に余念がない。お兄ちゃんのドウェーンは、空軍のテストを受けるために、ニーチェを崇敬し、だんまりを決め込み自室にこもって体力作り。グランパは、老人ホームで問題を起こし追い出され、トイレで薬をキメている。お母さんのシェリルは、つい最近、ゲイの恋人をライバルに取られ自殺未遂した伯父のフランクを迎え入れようと病院に迎えに行く。そんな彼を人生の負け犬と言って認めない夫のリチャードは、人生の勝ち組を育成するプログラムを世に広げようと必死。そんなフーヴァー家のもとに、オリーヴの『リトルミスサンシャイン』のコンテスト出場決定の連絡が入ります。旅行費を切り詰めるため、1000キロ以上の離れた会場まで、小さな黄色のオンボロ・バス(フォルクス・ワーゲン)で向かうというのだから、何も起こらない訳がない。

オリーヴ役のアビゲイル・ブレスリンさんが、ハマリ役ぽっちゃりさんだろうが、メガネをかけていようが、あの感情豊かで、純粋で、素直なところが、とびっきり引き立ってかわいらしい

彼女の夢を叶えようと、次々に起こる問題に対処し乗り越えていく…いやむしろ、乗り越えざるを得ない状態なところが笑ってしまう。

家族の誰か1人が反対したってHave to(そうしなければならない)なんだから、やらなきゃしょうがない。

止まったら、前にも後ろにも先に進まないのだから。

そんな彼らを、お母さんのシェリル(トニ・コレットさん)が仕切る、そんな家族の形もまた魅力的。

お兄ちゃん・ドウェーン役のポール・ダノさん。
夫・リチャード役のグレッグ・キニアさん。
伯父・フランク役のスティーブ・カレルさん。
グランパ役のアラン・アーキンさんの、個性溢れた自然な演技にワクワク、ハラハラしながら、鑑賞後には元気をもらえる、アクシデントあり、救急車の出動あり、笑いあり、感動ありの、ドタバタ・ヒューマンドラマ。

人生楽しいことばかりじゃないけれど、チグハグで問題だらけのニンゲンだもの、大変だからこそ味がある!
時に「うっとうしくもある」家族も、いいもんだと気付かせてくれる1本だ
 
 

おまけ

※内容に触れていますので、知りたくない方は飛ばしてください。
週末だけでも人間は変われる選手権
エントリーNo.1 フランク
人生が嫌になって、自殺未遂をした伯父。
退院する際に、シェリルが医者から「注意するように」と言われていたけど、この家に来てみれば注意されてる暇などない

家に来てみれば、自分よりも問題がありそうな家族との対面。
ハチャメチャな人たちと、長時間狭い車内で一緒に過ごさなければいけないという、試練の旅の、はじまりはじまり〜。

途中、ちょっと気分も上がってきたかな?という矢先、見られたくない買い物を、よりよって元恋人やライバルに見られるという、後に一家を救う「雑誌事件」勃発。
しかし、そんなことがあったって、その先にもアクシデントがいっぱいあるのだから落ち込んでなんかいられるはずはない

そりゃ「アメリカ一のプルースト学者なのに」と言って、あんなに走るのを嫌がっていた彼だって、コンテストの登録に間に合わせるために、自ら走りますよ。(ちなみにブー子は、「腕を曲げずに走るフォーム」が、ツボ)
悩む時間などないくらい体を動かすことが、どんなに健康的かということが伝わってきます。
 
 
エントリーNo.2 ドウェーン
空軍パイロットのテストを受けるために、誓いを立てて無口を通し、トレーニングをしていたお兄ちゃん。
友達もいない、家族も嫌いだと心の壁を作っていたが、この家族には、壁なんていうものは存在しないも同然
お母さんの言われれば、夕食の用意だってする。

ただ、旅の途中、自分が色覚異常だということが発覚し、あのキレイな空の下で感情が爆発し、ある意味、本当の壁にぶち当たる。

しかし、落ち込んだからって、そこで終われないのが旅というもの。←人生そのものですな。
そんな人生を、ミスコンのようだとも言っていた彼。

そのミスコンの雰囲気に耐えられず、桟橋でフランクと本音を話すシーンや、「妹に点数付けられたくない」と心配するシーンでは、彼の真面目さや優しさが伝わってきます。

そんな彼の抱える悩みに共感できる中高生は多いのではないでしょうか。

みんながおかしい。みんなと同じじゃないから、自分は変だ。

思春期真っ只中の15歳の彼に、フランクが「プルースト」の言葉でアドバイスしていた言葉が印象深い。

人生を振り返り 苦しんだ月日こそ 自分を形成した最良の日々だと悟る 幸せな月日はムダに過ぎて何も学ばない 18歳まで怠けていたら 苦悩できなくなるぞ 高校時代は 悩める青春のハイライトだ 黄金期だぞ

お互いにとって、とても良い関係になっている。
人生、どこで誰と出会うか、分かりませんね。
 
 
エントリーNo.3 リチャード
人生の勝ち馬になるための『9段階プログラム』を発案。しかし旅の途中に、企画の買い手がいないからお払い箱だとハッキリ言われ、落胆する夫。

彼が人に対して発する言葉は立派だ。しかし、なぜだか心に響かない。
なぜだろう?

仕事を評価してくれていると思っていた人から「君も次を探さないと勝てないぞ」と言われてしまう、いわゆる彼の言葉で言う「負け犬」の宣告を受ける。
もちろん、大の大人が、すぐに変わるなんてことはない

けれど、彼は彼なりに、娘をコンテストに出場させるという使命に燃えて奮闘する。
グランパを病院から連れ出したり、コンテストの舞台で主催者に反抗し家族と共に踊ったりする姿は、まさに常識にとらわれない我が道をゆく人。
そう、彼は子どものような人なのだ

勝ち・負けにこだわり過ぎるところも、コンテストの主催者に娘の踊りを止めろ言われたって、自分がそうしたくないと思ったら、これでもかと反発する。
怒られている時だって、「悪くないもーん」と言わんばかりのあの表情だ。

そんな彼が、家族を信じ、守る姿はどこかちょっと頼もしくもある。
「弱い犬ほどよく吠える」状態から、何か少し変わった彼の姿は、やはり負け犬とは誰も呼べまい。
 
 
エントリーNo.4 グランパ
ある意味、彼が一番ビックリな変わりようではありますが、こちらは、いろいろな意味でみんなに影響を与えた人としてエントリー。

自分の好きなことをして、我慢はしない。
思ったことを口にするし、家族や周りにも迷惑だってかけてます。

それがどうしたと言わんばかりのグランパの行動は、褒められるものばかりではないけれど…ジャンルはとにかく、孫のオリーブのダンス指導や、仕事がうまくいかず落ち込んでいる息子のリチャードを励ます一面はステキだ。

家族の誰にでも分け隔てなく接し、亡くなった後にも家族に影響を与えている彼の存在は、やはりすごい。
人生を謳歌した彼に、学べるところも多い、は言い過ぎか。

一家をまとめるのは?
この世に問題のない人なんていないけど、この家族の問題は、とにかくアクが強い

だからこそ「普通」なお母さん、シェリルの存在が大きい

誰も引き取り手のいない兄を家に連れてきたり、問題の多い義父と一緒に同居したり、全く話さない息子や、特に特別なレッスンはしていないのにミスコンに参加したいと言う娘への理解もある。
何より、「ちょっと黙ってて」と言いたくなってしまうような、なんとも言えない性格のご主人にも全くめげない。

この家族がやっていけるのも、彼女がいるからこそだ。

あとは、誰がなんと言おうと、この作品の主役であろう黄色のフォルクスワーゲン君の存在だ!
彼なしでは、この物語は成立しない。

ラストシーン、「プイーーーー、プ、プッププィーーー」とクラクションを響かせながら、家族を乗せて帰っていく後ろ姿が、どこか誇らしげに見えるのだ。

乗ってる彼らの未来は、きっと明るいに違いない。
続編が見たくなる作品です。

心に残る台詞

☆チャンスに挑戦したお前を誇りに思う
☆お前を愛しているのは 頭脳や性格じゃない 心も外見も美しいからさ
☆負け犬の意味を知ってるか?負けるのが怖くて挑戦しない奴らのことだ
☆明日は楽しめ

印象的なシーン

☆コンテストで喜ぶ練習をするシーン・それ以上に喜ぶシーン
☆ガソリンスタンドのシーン
☆病院を抜け出すシーン
☆高速道路の景色
ブー太のイチオシ!!
☆→クラクション故障→警官遭遇
☆ドウェーンの色弱発覚シーン
☆リトル・ミス・サンシャインのコンテストのシーン


観てよかったか?
5点 大変良かった!
4点 良かった
3点 ふつう
2点 ん~~~
1点 所々寝た(とばした)
0点 見るのを止めた


もう一度観たいか?
5点 もう何度も観てる
4点 観たい
3点 観るかも
2点 何とも言えない
1点 できれば他の作品を
0点 記憶から末梢したい…

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