(更新 2016.02.18)

満点『ニュー・シネマ・パラダイス』見るなら完全版

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1989年, イタリア、フランス, 170分
イタリア・シチリア島を舞台に描かれる、映画によって成長する1人の男の物語。

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気になる劇中曲

 

 

 

感想

鑑賞後は、この↑優しい旋律が頭から離れません。

ローマで暮らす映画監督のサルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(ジャック・ペランさん)は、夜更けに帰宅し、一緒に住む女性から「アルフレードが亡くなった」という電話があったことを聞く。彼は、30年も帰っていないシチリア島に住む母や故郷での日々の出来事を思い出していく。
ーーー子どもの頃、サルバトーレ:通称「トト」(サルヴァトーレ・カシオさん)は、母と妹と3人で暮らしていた。学校に通いながら神童のおつとめをし、司祭が時折行う広場にある映画館「パラダイス」での映画の見定めにこっそり同行しては、様々な映画を見たり、映写室に入っていったりするようになる。映写技師のアルフレード(フィリップ・ノワレさん)は、ずる賢くもあるトトに厳しく対応するが、徐々に親子のような友情のような絆で結ばれていく…。

一人の男性が映画監督になった現在から、過去を思い出すかのように描かれます。

大人になったトトが30年も帰らなかった理由が明らかになった時、
そして、厳しさと優しさを持つアルフレードとトトの関係に、ただただ感動。

日本語字幕や吹き替え、カット版でも完全オリジナル版でも、何度見てもおもしろい

カンヌ国際映画祭で「審査員特別賞」も受賞。
監督・脚本はジュゼッペ・トルナトーレさん。

少年期、青年期、大人になっても変わらないモノ…。
時代と共に、変わりゆくモノ…。
自分を変えてくれた人についてなど、思い出に浸りたくなるような、心温まる作品です

おまけ

※内容に触れていますので、知りたくない方は飛ばしてください。
トトとアルフレード
父がいなかったトトにとっても、息子がいないアルフレードにとっても、互いにかけがえのない存在
亡くなるまで会うことはなかった2人だけど、幼い日に交わしたキスシーンのフィルムをもらう約束を最期に果たすアルフレードの、トトに対する愛は計り知れない

トトにとって映画は、人生を大きく動かしたモノ。
トトにとってアルフレードは、才能や可能性を誰よりも信じてくれ、「お前には他の仕事が待っている」と背中を押してくれた、人生を大きく動かしたヒト。
どんな問いかけにも答えてくれ、味方になってくれる父のようでもあり、何でも話し合える友人のような人なのだ。

「過去に囚われていてもいけない」
「もう戻ってくるな」
「俺はもうお前とは話さない お前の噂を聞きたい」
などなど、アルフレードの言葉は厳しいけれど、決して意地悪でも冷たいものでもない。
いつでもトトのためを思った愛がたくさん詰まっているのだ

つい子どもに「あなたのために言ってるの!」と言ってしまうことはありませんか?
その言葉は、誰のため?

相手のためを思って伝える言葉について、考えてみようではありませんか。
 
 
村唯一の娯楽:映画館「パラダイス」
シチリア島にあるジャンカルド(架空の村)で、村の人が集まり、異国の世界を楽しめる場所「パラダイス」。

数ある古い映画のシーンでは、フェデリコ・フェリーニ監督の作品やチャールズ・チャップリンさんなど、様々な作品が見られるのもこの作品の魅力の一つ。

現代の日本の映画館のような雰囲気と違って、観客が歓声を上げたり、自由に好きなことをしたりして見ているのが良い。
居眠り(これはブー太もだ☆)、タバコ、授乳、そして×××。

最近ではDVDだけでなく、インターネットでも自宅で自由に映画を見られる時代。
世の中が便利になると同時に、時に煩わしくも温かい人との関わりやその他いろいろ失われていってしまう、ということか。
 
 
オリジナル完全版とカット版の違い
初めに鑑賞したのは「カット版(123分)」。
印象は、映画を通して生まれた、トトと映写技師アルフレードの心温まるヒューマンドラマである。

映画館「パラダイス」で出会ったアルフレードとの交流や、そこでの出来事が印象的なのだ。

しかも、サルバトーレの仕事が「映画監督」だと理解できたのは終盤になってから。
アルフレードがトトのためにとって作っておいてくれたフィルムを流してもらう時に、スタッフが「監督の作品素晴らしいですね」と言う言葉で気づくことができるが、それまでは「大きい家に住んでいる、何かの仕事で成功した人」くらいにしか分からない

一方「完全オリジナル版(170分)」の印象は、カット版とはガラリと変わる。
カット版での要素はもちろん含まれているが、トトの成長がより深く描かれているのである
これは間違いなくトトとエレナのラブストーリーだ

そう感じる理由の1つに、完全オリジナル版では、カット版には姿は見せない年を取ったエレナが登場する。
それによって、サルバトーレが今まで独り身だった理由も、過去にアルフレードが取った行動も明らかになっている。

もちろん、サルバトーレが名前を変えて映画界で成功している人だということも、家族団らんのシーンや、村で声が掛けられるシーンなどからでも理解できる。

もしどちらを見るかを迷った時、映画を選ぶ基準が「景色重視のブー太系」の方ではなく、「内容をじっくり見たいブー子系」の方であるのならば、完全オリジナル版をおすすめしたい

「カット版(123分)」にはない印象深いシーン
(「完全オリジナル版(170分)」のみで見れるシーン)

・アルフレードが外で土を耕しながら意味深な表情で葬列を見るシーン(←幼い子どもが亡くなったと見て取れる)[28:00〜]
・人気の映画フィルムを、別の映画館に自転車で運ぶボッチャンがなかなか帰ってこないシーン(←理由も明らかに!)[1:10:00頃〜]
・誰もいない映画館でトトが男になるシーン(←この後、牛の映画を撮ってます…。なかなかシュールな繋ぎだ)[1:16:29〜]
・トトがエレナのフィルムに話し掛け、その後電話するシーン(お母さんが出る)〜アルフレードがトトに「息子みたいに側にいろ」と言うシーンに繋がる[1:23:09〜]
・エレナの一家が映画館に来る。2人でこっそりトイレで会い、夏に家族旅行で村を離れることを伝えるシーンがある[1:38:48〜]
・野外映画を見て観客が笑い転げるシーン[1:42:33〜]
・兵役免除になるはずトトのもとに招集の手紙が届くシーン[1:46:03〜]
・映画上映中、約束の時間になってもエレナが来ず車で家を訪ねるシーン〜除隊が許されるのに1年かかった話[1:49:33〜]
・トトがアルフレードに、王女と兵士の話の自分なりの答えを話すシーン[1:57:25〜]
・妹の家族と一緒に食事をするシーン(仕事にいつ戻るのか予定の確認の電話が何度もきていた話も出る)[2:10:17〜]
・カフェでサインを求められ、そこでエレナに似た若い女性を見て声を掛ける。(その後、エレナに関する内容は続き、その女性を追い掛けたり、母と昔話をしたりする。更にその女性の家に夜も車で張り込むことになる!)[2:14:40〜]
エレナの夫はボッチャだった!!(←カット版では明かされない衝撃の真実)[2:24:30]
・その後、エレナと再会し、約束の時間に来れなかった理由、その日アルフレードと交わした話について知ることとなる。[〜2:46:16]

その他、日本語吹き替えで見たことにより、フィルムを別の映画館に自転車で運ぶ仕事を放棄した男もボッチャだったことに気づくことができた。
確かに、額にアザがあります

学校の授業で5×5が分からない彼にトトが助け舟を出したり、エレナが転校してきた日に競争して落し物を拾って喧嘩したりするなど、くされ縁であるとは思ったが、まさかその彼が愛しのエレナと結婚していたとは驚きです

しかし、それも運命、か

その他、印象的なシーンは↓↓に書いてます。
 
 

心に残る台詞

☆友達は顔を見て選べ 敵は頭で選べ
☆私がやるしかなかった
☆群集は考えない 何をするか分からない
☆言葉でなく 目で見るものを信じよ
☆進歩はいつも遅すぎる
☆人は従うべき星がある
☆ここにいると自分が世界の中心だと感じる
☆人生はお前が見た映画とは違う 人生はもっと困難なもんだ
☆自分のことすることを愛せ 子どもの時映写室を愛したように

印象的なシーン

☆映写室でのトトとアルフレードとのやり取り
☆みんなで歓声を上げながら思い思いに映画を見るところ
☆映画を家の外壁に投影するシーン
☆火事のシーン
☆30年ぶりに家に帰り母と再会するシーン
☆キスシーンが集められたフィルム


観てよかったか?
5点 大変良かった!
4点 良かった
3点 ふつう
2点 ん~~~
1点 所々寝た(とばした)
0点 見るのを止めた


もう一度観たいか?
5点 もう何度も観てる
4点 観たい
3点 観るかも
2点 何とも言えない
1点 できれば他の作品を
0点 記憶から末梢したい…

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