2011年,フランス,ドイツ,ポーランド ,79分
子ども同士のケンカ+両親=解決せずにややこしくなる
感想
あれよあれよと気まずい方向になっていく様子が、ノンストップで描かれてます。
11歳の子どもがケンカをして、棒でケガをさせた加害者と被害者の両親が和解しようと集まった話し合いの場が、どんどん予期せぬ展開になっていくというお話。
原題の『Carnage』は「虐殺」、「(大量の)死体」という意味。(『ジーニアス英和&和英辞典』より)ですが、この映画の場合、修羅場と言うニュアンスでしょうか。
子ども同士のケンカは、言葉が足りないため、手がよく出ます。
言ってみれば、それは動物的な反応でもあり、攻撃する場所が相手の目がある顔を狙ってしまうという理由には、攻撃されていると認識してしまうからという説があります。
大人は、言葉を使います。
今まで培ってきた経験や知恵も関係してくることもあるでしょう。
従って、関係ない事柄が絡まってきたり、心がより傷ついたりするという第二次・第三次被害が起こるようになっているんです!
この作品では、その被害拡大していく様子が果てしなく続きます。
お互い和やかに事を済ませようと集まったのに、だんだんと化けの皮の剥がし合いになっていくという状況は、正直、見ているでけでも疲れました。
そのぐらいリアルで「よくできてるなぁ」と引き込まれる作品です。
ケガをさせられた側の母親・ペネロペ役には、『告発の行方』でサラ役、『羊たちの沈黙』でクラリス役を演じ、アカデミー主演女優賞を受賞しているジョディ・フォスターさん。ケガをさせた側の母親・ナンシー役には、『タイタニック』のローズ役、『愛を読むひと』のハンナ役でアカデミー主演女優賞を受賞をしているケイト・ウィンスレットさんが演じています。
子どもがケガをさせた・させられたという事以上に、相手の態度やありえない状況にイライラを募らせるペネロペや、日頃の夫に対するストレスが重なり、お酒の力も合わさり、徐々に自制できなくなるナンシーの姿は衝撃的です。
ちなみに、父親役ではケガをさせられた側だけど、その収集つかない険悪な場を一生懸命に収めようとするマイケル役は、ジョン・C・ライリーさん。そして、ケガをさせた側で、職業はやり手の弁護士という、ちょいちょいイラつかせてくれるアラン役はクリストフ・ヴァルツさんが演じています。
出演者は、ほぼこの4人なのに、見応え抜群!
各キャラクターが、どこにでもいそうな人物像というところ、女性男性の性格がうまーく描かれているところが、この作品の魅力です。
その後、一体どうなるのか知りたいような、知りたくないような、不思議な後味が残ります。。。
おまけ
※内容に触れていますので、知りたくない方は飛ばしてください。
Q.もし自分の子ども(11歳)が棒で殴って友達に歯を折るケガを負わせてしまったら、親はどう対処するのがよいのでしょうか?
1.ケガをさせた方の子の親が、子どもを連れて相手のお宅に謝りに行く
2.ケガをさせられた方の子の親が、相手の親を自宅に招いて和解できるようセッティングする
3.放っておく
1は、ブー子が子どもだった時代に、よくあったパターンです。
2は、この作品で出てきた対処方法。
和解しようと呼んだのに、両親同士が話せば話すほど、ややこしい状況になっていくのが、見ていてとっても心苦しかった
何がおかしくさせていったのでしょう?
初めは親同士が顔を合わせ、和やかなムードでケガの今の状況を伝え、ほんの何分かで済まされるのかな?と思いきや、ある言葉がキッカケで言い合い開始。その後は「おとこ対おんな」となり、「おとこ対おとこ」「おんな対おんな」の言い争いになり、後半では「夫婦の対立」にまで発展し、最終的には結局「家族 対 家族」になるという、どうしようもない状況になっていくという始末。
人は成長しながらいろいろなことを学びますが、同時に知恵をつけすぎて、生き方をややこしくさせているのではないかと、思わずにはいられません。
ちなみに、この作品の答えは、3。
エンドロールの背景で、話をややこしくさせるキッカケになったハムスターの元気な姿と、ケガをした・させたであろう当の本人たちが、親たちのバトルなんて関係なく、仲良く遊んでいるというシーンが淡々と流れているのが、なにより滑稽でした。
子どもが困って、どうしても必要な時に頼れるのが大人です。
けれど、そのいざという時にいなかったり、対応してくれなかったり、また、その前にしゃしゃり出て事を荒立ててしまう姿が、想像できるのが怖いです。
子ども同士のケンカを解決できなくさせているのは、もしかしたら大人が原因かもしれませんよ??
印象的なシーン
☆リバースのシーン
観てよかったか?
5点 大変良かった!
4点 良かった
3点 ふつう
2点 ん~~~
1点 所々寝た(とばした)
0点 見るのを止めた
もう一度観たいか?
5点 もう何度も観てる
4点 観たい
3点 観るかも
2点 何とも言えない
1点 できれば他の作品を
0点 記憶から末梢したい…
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ブー子