(更新 2016.02.05)

未評価『夕凪の街 桜の国』を見て広島原爆を考える

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2007年, 日本, 118分
「このお話しは 終わっていません」こうの史代さん原作アニメの実写版。

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感想

原爆で負った体と心の傷は、時代を越えて残っている。

『夕凪の街』では昭和19年から昭和33年が舞台。
平野皆実(麻生久美子さん)は原爆で父と妹を亡くす。幼かった弟・旭は水戸のおば夫婦の養子となり、それぞれ成長する。その悲しみを背負って生きてきた少女が家族と寄り添い、大人になり、恋をする。

『桜の国』は平成19年が舞台のお話。
旭(堺正章さん)は定年を迎えた。母も、妻も亡くし、男手ひとつで息子と娘を育てている。ある日、娘の七波(田中麗奈さん)は父の様子が少しおかしいと感じ、こっそり出かけた父の後を追って長距離バスに乗り込む。ついた場所は広島だった。父が巡る足跡を辿り、一緒に過去を振り返る。

この話は終わらないのだ。

原爆を落とされた広島に住む人々にとって、乗り越えるとか、そんな生やさしい話ではない現実というものを想像させられる。
ただ、生きていくことに意味がある、というメッセージも感じる。

『おもひでぽろぽろ』のように、追憶にひたりながら旅していくことで、今まで気付かなかったことが見えてくる。

いつまでも終わりのないというのは、辛いことだけでなく、受け継いでいく命、「家族」も。
それは、この先ずっと続くのだという希望も込められた作品だった。

おまけ

※内容に触れていますので、知りたくない方は飛ばしてください。
落とされた原爆によって「誰かに殺されようとされた」という考えにも苦しむ。
今となっては何が理由かも曖昧な中で、短い生涯を閉じる皆実。

唯一救われたのは、彼女が職場で出会った彼を想い、想われることで、心の傷が和らいだということ。
それとは反対に弱っていく身体が、なんとも切なかった。

皆実が最期に掲げた、きんぎょのハンカチは何を伝えたかったのだろう。

マンガを忠実に再現されているとかでしょうか?
読んではいないので分かりませんが、特に後半が、学園祭のような演技というか、お芝居のような構成が気になってしまった。当時を表現する絵や、助けられなかったという妹の声の幻聴が頭に残ります。

キャストを見ました。
原作者さんの他、広島出身の方はいらっしゃらないようです。

心に残る台詞

☆うちは誰かに死ねばいいと思われた
☆うちが一番怖いこと 何か分かる? 死ねばいいて思われる人間に 自分が本当になっとる それに気付いてしまうことなんよ
☆誰かに聞いて欲しかった
☆生きててくれて ありがとう
☆だからおまえが 幸せにならないとな

印象的なシーン

☆当時の映像と写真
☆桜並木

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ブー子