あらすじ
アフリカの難民キャンプで医師として働く父・アントン。息子・エリアスはデンマークの学校でイジメに遭いながらも、父の存在を心の頼りに、日々過ごしていた。ある日、学校に、転入してきたクリスチャンにいじめっ子から助けてもらったことで、二人の関係は一気に縮まる。しかし、彼もまた、母の死という悲しさと戦っていた。一方、アフリカでは、度重なる事件に関係している「ビッグマン」という男が、キャンプに運ばれてきた。国の問題、子どもにも大人にもある暴力という問題に、どう向き合っていくことができるのか…。
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心に残る台詞
☆心の底から謝っただろ
↑ 謝って許されることと許されないことはある。ただ…。
☆私たちは生きていく 以前と変わらずに
印象的なシーン
☆いじめっ子へ復讐するシーン
☆埠頭の塔の上のシーン
☆殴られた怒りを一人沈めるシーン
☆父との抱擁のシーン
みどころ
問題に立ち向かうという事とは?
感想
学校でのいじめ、夫婦間の問題、国の問題、、、一見バラバラのような問題の先にあるのは「選択」。
やり返すか、許せるかだ。。。
言葉で解決できない時に、自分はどう対応できるのだろう…。
親しい人の死は、様々なことを感じ、考えさせられ、思ってもみない行動を引き起こす。
父は父で悲しみがあり、残された息子に愛していることを伝えつつ、心配していることも伝えるけれど、なかなか心の隙間が埋まらないという状況が、とてももどかしくリアルに描かれている。
一方、裏切りや怒りも同様かもしれない。
子どもに触るなと、理不尽な理由で殴られたことから発展する話と、「ビッグマン」の話は、とてもショッキングだ。
その人にも、もしかしたら言葉で話せば分かる時期があったかもしれないけれど、残念ながら、彼らの過去に戻ることはできない。もちろん自分も…。
「その人に会ってしまった」、「その状況になってしまった」そんな時に、何が自分はどんな行動がとれるのか、それが問題だ。
その後に起こる事件の引き金になったことも確かだけれど、息子たちに示した彼の行動は、意味のある勇気ある行動だという事だけは間違いない。アントン役のミカエル・パーシュブラントさんの、優しさと強さを感じる演技が印象深い。
そして何よりも、子どものサインに気付くのは、そばにいる大人の役目なのだと、強く感じさせられる。
子どもとの接し方。何でも知っておきたいという父親。子どもが聞いて欲しいという時にそばにいることができない親。何も聞かずに、否定される子ども。この子に叱ってくれて話を聞いてくれる大人がそばにいてくれたら…。「どうすればいい?」「どうすれば元通りになるのだろう」…。人は様々な問題に直面し、立ち止まることもあっても、悩みながら前に進まなくてはならない。状況は人それぞれ違うが、それを乗り越えられた時に待っているのは、人としての強さなのだと信じたい。
父が悲しむ姿を見て、再び心を閉ざすクリスチャンの表情とその後の行動に「気付いて〜気づいて〜!」と祈りながら見ていたブー子。
すべて解決する問題ばかりではないけれど、優しい音楽と共に心に響く作品です。
おまけ
※内容に触れていますので、知りたくない方は飛ばしてください。
クリスチャンの行き過ぎた行動の原因は、「母の死」と、「父の優しさと希望からついた嘘」だった。
頭のいいクリスチャンにとっては、「事実ではない=嘘」が、受け止めきれなかった。そんな、悲しみに押しつぶされそうになりながら必死に強がるクリスチャン役のヴィリアム・ユンク・ニールセンくんの演技がとても印象的でした。
謝りに来た(であろう)クリスチャンが病院に来たのも、ビッグマンが怪我をしてキャンプに来たのも、「キッカケ」。
しかし、その結末は全く違う。
許し合うというのは、実はとても難しい。それを学ぶのはやはり子どもの時期なのではないだろうか。2人をいじめていた子が、「クリスチャンにボールをパスする」というちょっとのシーンだったが、いいシーンだった。
観てよかったか?
5点 大変良かった(考えさせられた)!
4点 良かった
3点 ふつう
2点 ん~~~
1点 所々寝た(とばした)
0点 見るのを止めた
もう一度観たいか?
5点 もう何度も観てる
4点 観たい
3点 観るかも
2点 何とも言えない
1点 できれば他の作品を
0点 記憶から末梢したい…
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ブー子