2001年, アメリカ, 146分
原作:ブライアン・オールディーズさんの短編小説
監督・制作・脚本:スティーヴン・スピルバーグさん
人造人間・デイビッドが本当の子どもになるために、遠い未来の、それまた遠い未来まで続く、ヒトを越えた愛の物語。
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感想
久しぶりに見たけど、やっぱりすごい。
スピルバーグ監督作品の中で、感動せずにはいられない作品の一つ。
地球の温暖化により氷山は溶け、世界のほとんどが海に沈んでしまい、飢餓に苦しまなくてもいいロボットが必要とされる時代。様々なロボットが開発される中、「親」に真の愛情を抱き続ける子どものロボットを作り出すことに成功し、彼を試す最も適した環境として、その会社のスタッフ、ヘンリー(サム・ロバーズさん)と妻モニカ(フランシス・オーコナーさん)の家庭が選ばれる。初めこそ怒りすら覚えたモニカだったが、本物そっくりな子どものロボット・デイビッド(ハーレイ・ジョエル・オスメントさん)と過ごすうちに、心動かされ、ついに起動させる。しかし後日、実の息子・マーティンが奇跡的に助かり家に戻ってくると事態は一変、問題が絶えず起こり、モニカは苦渋の決断を迫られデイビッドを森の中に置き去りにすることに…。
ヒトはロボットに残酷で、必要な時だけ求めるような、ずる賢さを持ち合わせている。
それに比べ、ロボットは実に単純明解。
「愛すること」をインプットされたから、母を愛しているだけかもしれないのに、なぜかデイビッドの言動を愛おしく感じます。
子どもの姿をしたロボットのデイビッド役を、『ペイ・フォワード 可能の王国』でも、哀愁漂う表情が独特なハーレイ・ジョエル・オスメントさんが演じています。機械的でちょっと不気味で、ある意味ホラー感ある彼の動きは、声も合わせ日本語字幕版で観るのがやはり好き。
その他、女性を癒すために作られたロボットにジュード・ロウさん。
ちょっとイヤミの過ぎる、実の息子・マーティン役には、「ザ・セル」でも少年役だったジェイク・トーマスさんが出演しています。
現代と変わらない生活感と、反対に想像を越える未来感に、最後までその世界観から抜け出せなくなります。
おまけ
※内容に触れていますので、知りたくない方は飛ばしてください。
デイビッドがモニカを思う気持ちが、時を超えて叶ったところで終わりを迎えるというシーンで、言葉に表せられない感動。
ヒトの髪の毛、建造物やテディが2000年経っても残るかとか、そんなことはこの際どうでもいいのです。
一途にママを想い、夢が叶ったことで動かなくなるというシーンに、ただただ胸が、目頭が熱くなります。
バイクでロボットを回収するシーンは、なんかテイストが違ってちょっとおもしろいシーンになっていて、それはまるで『仮面ライダー』のようです…。
ヒトとロボットの違い
・冒頭にある大勢が集まる会議のシーン
「愛とは何か?」「服を脱いで」という質問や指示の通りに淡々と応え、公衆の面前で平然とメイクを直す女性型のロボットが登場します。彼女は服を脱ぐことにも動揺しないし、プログラミングされている(であろう)答えをを的確に言います。
そこでふっと、実生活でも既にロボットのような人はいるではないかと、いうことに気付かされます。
・素直な子ども
限られたヒトにしか子どもを生むことができないという世界で育った子どもは、相手をおとしめようとしたり、デイビッドは本物の人ではないからと言ってからかう子どもばかりが登場します。大切に甘やかされて育った子どもたちの言動が、リアルで怖いです。
・壊れたロボットたちがゲームのように処理されるシーン
ロボット反対を唱うヒト、その残虐なシーンを見て楽しむヒト。そのゲームは、役目が終わり、いらなくなったモノや、壊れたモノを捨てるのだと考えれば、使用済みのティッシュをゴミ箱めがけて投げて捨てるのと同じように、彼らにとって大したことではないゲームの一つかもしれない。今で言うテレビやスマホゲームの延長上にあるような、ちょっとエキサイティングなゲーム。だけど、やっぱりそれも違うような気がして考えさせられるシーンです。
愛情や約束を守るといったデイビッドのような素直なロボットのようなヒトがいいのでしょうか?
後半、彼が感情をあらわにするシーンこそ、ヒトになった瞬間だと感じたブー子なのでありました。
心に残る台詞
☆もしロボットが真に人を愛するなら それを受ける人間にも責任が生じるのでは?もちろん同義の問題ね
☆人を愛することができるのなら 憎むこともできるはずだ
☆僕だけが特別なのかと
印象的なシーン
☆ロボットの顔が開くシーン
☆モニカをママと認識するシーン
↑何度見ても鳥肌モノ
☆ほうれん草を食べてしまうシーン
☆誕生日パーティのプールのシーン
観てよかったか?
5点 大変良かった!
4点 良かった
3点 ふつう
2点 ん~~~
1点 所々寝た(とばした)
0点 見るのを止めた
もう一度観たいか?
5点 もう何度も観てる
4点 観たい
3点 観るかも
2点 何とも言えない
1点 できれば他の作品を
0点 記憶から末梢したい…
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ブー子