2015年, カナダ・アイルランド, 118分
オーストリアで起こった事件から着想を得たという小説を映画化。
あらすじ
"部屋"で、お母さんのジョイと一緒に体操をしたり、おもちゃを作ったり、5歳の誕生日には一緒にパンケーキを焼いて楽しく過ごしているジャック。ただ彼は"部屋"の外の世界は知らない。生まれてから一度も"部屋"を出たことがないジャックに広い世界を見せるため、自分のために、ジョイは部屋を出る作戦を決行する…。
気になる劇中曲
「BIG ROCK CANDY MOUNTAIN」子守唄
感想
NHKテレビ『あさイチ』の映画紹介のコーナーで紹介され、ずっと気になっていた作品をやっと見ることができました。
小さな部屋で、母と息子が小さな部屋に閉じ込められて生活している状態から物語は始まるという、決して楽しい内容ではありません。
ただ、その異常な状況下で2人で寄り添って過ごす様子は、むしろ素敵な親子関係で温かみさえ感じさせてくれます。
40分を過ぎた頃からは状況が一変しますが、その時点ですでに何か1本映画を観たかのような感動を覚えます。
親子のこと、過ごす環境や生きることについてなど、とにかくいろいろな問題が詰め込まれたサスペンスなヒューマンドラマに、最後まで目が離せませんでした。
内容に触れながら下で↓まとめて書いてます。
作品の魅力
事件が実際に目の前で起こっているかのような自然な演技と映像は臨場感タップリです。
BGMも優しく、感情がストレートに届いてきます。
ジャック役のジェイコブ・トレンブレイさんの仕草や声がとってもチャーミング役柄も相まって「生まれてきてくれてありがとう」と、思わず声に出して言いたくなってしまうほどです。
また7年間、監禁させられていたジョイ・ニューサム 役のブリー・ラーソンさんの強さと脆さが入り混じった何とも言えない絶妙な演技にも目が釘付けです。
ジョイのお父さんやお母さん、義理のお父さんなど、家族の良さ・弱さもリアルに表現された、これぞ究極の家族の物語です。
おまけ
※内容に触れていますので、知りたくない方は飛ばしてください。
危険な思いをしてやっと開いた"部屋"の扉は、幸せへの入り口でもあり、新たな試練への扉
壮絶な生活を強いられてきたジョイが実家に戻った後、アルバムに向かうシーンや、実の父親にジャックの存在を認めてもらえないシーンは何とも言えないものがあります。
その後も、やり場のない怒りやどうしようもない思いがこみ上げ家族にあたるシーンや、1人で考えて乗り越えてきたことが、メディアや他人に理解されなかったり拒絶されたりして、再び追い詰められるシーンも続き、見ていて切なくなってしまいました。
ただジョイにとってジャックはかけがえのない存在。
監禁されていた異常な"部屋"が、当たり前の環境で、あの"部屋"で暮らした時間が全てで閉ざされた"部屋"での生活の方が、開かれた世界よりも良かったと感じる姿にも考えさせられるものがありました。
新たな出発のために
ジョイの母・ナンシーや、母の新しいパートナー・レオのさりげないフォローに守られながら、めまぐるしく変わる生活の中で流されるように順応していく幼いジャックの子どもらしい様子に心救われます。
脱出後、今まで当たり前のように過ごすしかなかった異常な"部屋"に戻りたいと口にしたジャックの気持ちも頷けたけど、ラストシーンで母と2人で"部屋"にバイバイし、「時々怖いけどでも大丈夫」と新たな世界に踏み出そうとする姿に、心がジーンと熱くなりました。
心に残る台詞
☆「よくないママね」 「でもママだよ」
☆とりあえず何でも試そう
↑起こってしまったことは、起きてしまったことと割り切るのは難しいけど、前を向くには、奪われてしまったモノや奪った人を恨んで過ごすことではない、ということを教えてくれました。
印象的なシーン
☆脱出する
☆母子再会シーン
☆親子再会シーン
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ブー子