(更新 2016.08.16)

9点『大いなる休暇』ウソから見えてくるホントのこと

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2003年, カナダ, 110分
ヒトが小さな誇りと幸福を取り戻す物語

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あらすじ

カナダにある携帯電話も通じない小さな島、サントマリ・ラモデルヌ。かつて漁業が盛んだった島も、最近ではめっきり魚が捕れず、島の人々は生活補助を受けながら生活をしていた。そんなある日、みんなが働ける工場誘致の話が持ち上がる。「島に住み込みで働いてくれる医者がいる」という条件に対し、もう何年も医師がいない島に医師を呼び込もうと、ジェルマンたちが立ち上がり、ついに1ヶ月だけ医師がこの島に来ることになる。彼らは、この島を好きになってもらうために島を上げての作戦を繰り広げるが…。

キーワード

☆小さな島の問題
☆嘘

感想

バカンス時期ならではのタイトルに惹かれての鑑賞です。

原題は『La Grande seduction』。
seductionには「(異性への)誘惑」や「(悪への)誘い」という意味合いもありますが、直訳すると「大きな誘惑」といった感じ。

島での生活は決して不幸ではないけれど、医師がいないこと、仕事がないことなど、小さい島が抱える問題がてんこ盛りで、家族にとっては死活問題。それでも島は離れたくない3人のおじさんの奮闘ぶりがまじめで面白く、始終心をくすぐられます

夜逃げした町長の代わりに、島をまとめるジェルマン(レイモン・ブシャールさん)。
街に一度も行ったことがなく、島が大好き。ジェルマンの一番の友だちのイヴォン(ピエール・コランさん)。
ATMと言われることが何より堪える、島の郵便局員のアンリ(ブノワ・ブリエールさん)。

この3人の気のおけない関係と、島民とのやりとりにクスッっとさせられつつ、ひょんなことから島に来ることになった騙されまくりの若き医師クリストファー(デヴィッド・ブータンさん)に失笑しながら、徐々に物語に引きこまれ、作戦がバレてしまった終盤、一体どうなるのかとシリアスなシーンに突入する頃には、すっかりこの物語にハマってました。

相手を傷つける嘘はいけないというけれど、こんな嘘ならついてもいいのかな?なんて思ってしまえるような、おとぎばなしを見ているようなハートウォーミングなヒューマンドラマで、この暑い夏に心のクールダウンをしてみませんか?

おまけ

※内容に触れていますので、知りたくない方は飛ばしてください。
クリストファーに島を気に入ってもらうため、島の住民のやること成すこと全てテキトー、嘘だらけ

「誰でもお金を拾うと嬉しい」という、ふざけた案は実行するし、好きなクリケットに目をつけたものの、結局みんなルールすら覚えないし、挙句の果てに彼のことを知ろうと盗聴機を仕掛けるハチャメチャぶり。

やってることは詐欺まがいなのに、どうしたら相手が嬉しいかを真剣に考え、全力でクリストファーのご機嫌取りをする、いい加減で「おいおい」とツッコミを入れたくなる行動を繰り広げながらも一致団結してしまう島民の純粋さと、不自然な出来事に疑うこともしない、ちょっと抜けてるクリストファーの掛け合いに見入ってしまいます。

当然、嘘で固められた生活を続けられる訳もなく…、彼が恋人と別れたことがきっかけで楽しい雰囲気が一変する後半から、徐々に「これからどうなるの?」というドキドキに変わっていく展開がとにかく絶妙な作品でした。

心に残る台詞

☆後の事を考えたか?

印象的なシーン

☆初めてのクリケットシーン


観てよかったか?
5点 大変良かった!
4点 良かった
3点 ふつう
2点 ん~~~
1点 所々寝た(とばした)
0点 見るのを止めた


もう一度観たいか?
5点 もう何度も観てる
4点 観たい
3点 観るかも
2点 何とも言えない
1点 できれば他の作品を
0点 記憶から末梢したい…

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