(更新 2016.02.16)

満点『ウォレスとグルミット ペンギン』可愛い相手こそ注意せよ

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1993年, イギリス, 30分
「ウォレスとグルミット」の、最高傑作!笑いあり、ハラハラ・ドキドキありのサスペンスドラマ?!

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感想

『ひつじのショーン』でもおなじみ、アードマン・アニメーションズが手掛ける、ストップモーション・アニメーション。
ニック・パークさん、スティーブ・ボックスさんが主に製作の、粘土プラスティシンで作られたアニメーション(クレイアニメ)。

グルミットのバースデープレゼントに無人で散歩ができる「テクノ・ズボン」をプレゼントしたウォレスは、さらに借金が増え、空き部屋を貸すことにする。そこにやって来たのはペンギンのマッグロウ。気の利くペンギンにウォレスもすっかり気を許し、グルミットはのけ者になっていく。しかし、そのペンギンには、ある企みがあったのです…。

キャラクターが魅力的

 
Wallace(ウォレス)はちょっとおとぼけな発明家。チーズとクラッカーに目がなく、紅茶が好きなイギリス紳士の一面も、へんなものを発明しては事件を引き起こし、相棒のグルミットに窮地を助けてもらっている。

Gromit(グルミット)は、心優しいく聡明な、ウォレスのパートナー。言葉こそ話さないけど、彼の瞳と耳の動きは口以上にものを言う。愛読書は「犬のための電子工学」と「ブラトンならぬブルートーの「国家」!?(DVD「キャラクター紹介」より)

グルミットは犬だけど、むしろウォレスの世話役のような存在でしっかり者。
ウォレスも困った時はグルミットを頼る間柄が、なんとも言えません。

短編も数多く作られていますが、中でもこれがイチオシ!

日本語吹き替えでは、欽ちゃんこと萩本欽一さんが担当されています。
セリフは英語のより多く、ウォレスのダメダメ感がさらにパワーアップしてます。
あの名台詞「なんで、こ〜なるの」も聞けちゃえます!

床がきしんだり、ベットがしなったりと細かいところが表現されているところはもちろん。グルミットの耳ホッカやウォレスのドライヤーなど、ユーモア溢れる作品は、何度見ても飽きません。

おまけ

※内容に触れていますので、知りたくない方は飛ばしてください。
ラストシーン。捨てたはずの「テクノ・ズボン」が勝手にどこかへ去って行きましたが、どこへ行くのでしょうか。
まさか、ペンギンが脱獄を図るのでは?

ペンギンに学ぼう
上司に気に入られるには、ペンギンの行動を見習うべし!

冷静沈着、己のためなら手段は選ばずのペンギン。
あの手この手を使って、ウォレスに取り入る彼は、世の中をうまく渡るためのテクニックがいっぱい。

1・敵を追い出す
この家の持ち主はウォレス。しかし、彼を影で支えている…、いやむしろ操っているのはグルミット。
その関係に気付いたペンギンは、敵の部屋を奪い、彼の居場所をなくす作戦に出ます。

2・ボスに気に入られる
一応、その家の主である=ボスはウォレス。彼の必要だと思う物をささっと差し出す。
スリッパを持っていく気遣いはもちろん、敵(グルミット)が待っているスキをつき新聞を奪ってでもウォレスに持っていく。
かなりの確信犯っぷりです。

3・ボス(ターゲット)の機嫌取りに専念する
ウォレスと食事をして、楽しい場を提供。
もちろん敵とみなしたグルミットの席は作らない。

以上が彼の戦略です!

しかし、最も重要なことは、本来の目的をしっかり持っておくこと。
ペンギンの狙いは、「テクノ・ズボン」を使って、自分の手を汚さず誰かに宝石を盗ってきてもらうこと

ですから、ちょっとヌケてる人材=ウォレスを一人にすることが必要だった訳ですね。

※注意:この作戦を実行した場合、周りの人に迷惑がかかり、反感を買う恐れがございます。その場合、こちらでの責任を負うことはできません。ご了承下さい。

備忘録

DVDの特典映像「メイキング」より

絵コンテから生まれた『ペンギンに気をつけろ』
最初のアイディアとして浮かんだのは「家の中で繰り広げられる列車の追跡シーン」。
その次に下宿人のペンギン、それから発明品が浮かんだそう。

撮影はカメラ担当のディブさんが、照明やカメラをあらかじめ準備しておいてくれ、大人の上半身ほどの高さのセットの前にカメラを固定し、そこに美術担当さんが道具などをセット。

〜パンを食べているシーン〜
・ウォレスの表情を変える
ウォレスの声優であるピーター・サレスさんに何度もセリフ言ってもらいそのセリフ回しを研究し表現。
パンを食べている時の感じも念頭に入れながら、少しずつ変化させていく。
指の動きも重要。

25コマで1秒。
「トースト」と言うだけで約8コマ。

1.25秒を撮影するのに約半日を費やす

(口の動きを撮影しているシーンだけでも、気が遠くなりそうです…)

最も手をかけたのが「博物館」。
(ひとつひとつの作品にこだわりが感じられます)

スティーブさんが手がけたペンギン。
目も眉もないキャラクターなだけに、動作や歩き方で表現。
何かを企んでいるような雰囲気漂うペンギンはまるでスティーブさんの分身のようだとか。
歩き方や動作が、自然と重なってしまうそうです。

監督でもあり、ウォレスを担当されているニックさんも、ウォレスと似ているそう。

製作に丸二年かかった作品。作業にうんざりするかと思ったけど、嫌気がさすことはなかったそうです。

その様子を想像しながら見ると、また、なんとも言えない感動が味わえます。

心に残る台詞

☆終わり良ければ全て良し
DVD「メイキング」よりニック・パークさんの言葉
☆全情熱を傾けていると自然にいい作品が生まれるのです

印象的なシーン

☆グルミットの散歩
☆テクノ・ズボンを使いこなすグルミット&ペンギン
☆飛べない鳥ペンギンが飛んでます→瓶にスポッ!のシーン


観てよかったか?
5点 大変良かった!
4点 良かった
3点 ふつう
2点 ん~~~
1点 所々寝た(とばした)
0点 見るのを止めた


もう一度観たいか?
5点 もう何度も観てる
4点 観たい
3点 観るかも
2点 何とも言えない
1点 できれば他の作品を
0点 記憶から末梢したい…

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ブー子