(更新 2015.11.14)

7点『アイリス』言葉を忘れても愛は消えない

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2002年, イギリス・アメリカ, 91分

あらすじ

実話を基にしたお話。ーーー恋愛経験豊富なアイリスに、純粋で真っ直ぐなジョン。大学で知り会ってすぐに惹かれたジョンに対し、彼女もまた、ユーモアのある彼に徐々に惹かれていく。二人は結婚し彼女は「イギリスで最も素晴らしい女性」と言われる作家となり、穏やかな日々を過ごしていた。しかし年を重ね、彼女を襲ったのは、アルツハイマーという残酷な病気だった。

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心に残る台詞

☆教育は幸せになるための手段
☆私たちは無意識に正しい方を選ぶわ
☆言葉だけでは相手を理解できない
☆運命の不公平に腹が立った
☆家に帰ろう そして明日がある 次の日も・・・ 一緒にいよう
☆そしてこれ以上近付けないほど1つになろう

印象的なシーン

☆水中で喋るなど、水のシーン
☆自転車で走るシーン
☆施設の廊下で踊るシーン

みどころ

出会いから描かれる2人の愛

 
 

感想

病気と共に生きる夫婦の姿に、胸が絞めつけられました。

2人が出会った頃と、それから40年後、アイリスが病気になってからが混ぜ込まれて描かれています。
天真爛漫な彼女に惹かれ、彼が追い掛けていた若かりし頃と、病気で言葉を忘れていく彼女が彼を必要とするシーンとが何とも対照的で、まるで彼らの人生をすべてを見てきたかのような錯覚になるような、そんな作品です。

穏やかだった夫・ジョンまでもが混乱し、気持ちを爆発させるシーンには、やはりこうなってしまうのかと、何とも居た堪れない気持ちになり、しかし、2人はぶつかりながらも寄り添っていく姿に感動です。

病気とは別に、人は老いていく。
そのような不安もある中で、家族や仲間がどう向き合っていくことができるのかを考えさせられる作品です。

作家となって活き活きと活躍する姿から少しずつ病んでいく、老いたアイリス・マードック役をジュディ・デンチさんが演じ、アカデミー賞主演女優賞を受賞。年老いたジョン・ベイリー役のジム・ブロードベントさんも、助演男優賞を受賞されています。このお二人の夫婦姿はもちろんですが、若い時のアイリス役を演じたケイト・ウィンスレットさんと、若い頃のジョンを演じたヒュー・ボナヴィルさんの4人の雰囲気が、本当によかったです。

おまけ

※内容に触れていますので、知りたくない方は飛ばしてください。
アイリスがアルツハイマーを発症し、家の中が徐々に荒れていく様子、アイリスが言葉を失っていく様子、
ジョンが一緒にいたいと思う気持ちとは反対に、相手がどう思っているのかも分からなくなり自分一人ではどうしようもできなくなる様子などがリアルに描かれています。

「教育は幸せを与えません 自由も いくら自由でも幸せにはなれません 教育も同じことです あくまで教育は手段です 幸せになるための手段」

DVDの特典にある「Soecial Features」より
アルツハイマー病協会による表彰式で、ジョン役・ジム・ブロードベントさんのされたスピーチがとても印象的でした。
実の母を、アルツハイマー病で亡くしているというジム・ブロードベントさん。お姉さんが病気の母に「母を愛しすぎたわ」という言葉を掛けた時に、「愛しすぎたという事はない」と返事をしたそうです。

なんだか、この作品の真髄を見た気がしました。


観てよかったか?
5点 大変良かった!
4点 良かった
3点 ふつう
2点 ん~~~
1点 所々寝た(とばした)
0点 見るのを止めた


もう一度観たいか?
5点 もう何度も観てる
4点 観たい
3点 観るかも
2点 何とも言えない
1点 できれば他の作品を
0点 記憶から末梢したい…

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ブー子